石田クリーニング株式会社

従業員約110名(パート約80名)

愛媛県松山市を中心に18の直営店を持つクリーニング会社

清本有策社長にインタビューしました!

石田クリーニングはパートの女性が活躍している企業というイメージがありますが、人材の確保はどのような工夫をされているのか教えてください。

子育て家庭(子どもが幼稚園に行っている間に働きたい)の従業員が多いのですが、平日9~13時に勤務を希望する人が多く、逆に、夕方からの時間帯や土日は人の確保が難しい状態です。

クリーニングの工場では、手薄な時間の人材確保に注力するのではなく、生産機械を増やし、人が多く確保できる時間帯の生産量を高めるようにしました。人手があるうちに一気に仕事を済ませる作戦です。設備投資は必要ですが、お客様に早くクリーニングをお渡しすることができますし、社員にとっては残業の削減にもなります。

クリーニングの受け渡しをする店舗では、子育て家庭は基本、土日や夕方以降のシフトに対応できないこともあり、学生アルバイトにカバーしてもらっています。また、従業員にアンケートを実施して、もっと長い時間働きたい人は、所属店舗だけではなく、他の店舗のシフトにも応援に入れる仕組みを作りました。店舗間の移動が活発化することで問題も発生しますが、店舗のマニュアルを統一(規格の統一)することで、どの店舗に誰が入っても、対応できるように改善しているところです。

人の入れ替わりはありますが、これからは流動化する時代だと考えておりますので、特に問題だと思っていません。逆に石田クリーニングを選んでもらえるような工夫ができれば、人の補充がスムーズにできるのではないかと考えています。

業務についてお尋ねします。18も直営店舗があると、働く人だけではなく、お客様も多様でいろいろ問題もあるのではないかと想像しますが、各店舗での気づきや問題が上がってくる仕組みはありますか。

ツールとしてはLINEやレジのメール機能がありますが、これといったフォーマットはありません。現場ででてきた改善案は、現場で話し合って改善するケースも多いのですが、他部署や経営幹部まで巻き込んでの改善が必要な場合、情報の伝達や共有方法の問題から、しばしば途中で立ち消えになることもあります。情報が伝わる過程のどこかで、ボール(改善案)が止まってしまうことが課題です。

お客様の対応で工夫されていることはありますか。

クリーニング店の受付スタッフには、衣類や洗濯に関する知識はもちろん、接遇のスキルやファッション動向の把握なども必要です。しかしながら、中には専門性の高いものもあり、入社間もない従業員がいきなりベテラン社員と同じ知識を共有するのは無理があります。

また、店頭でのお預かりの際に確認すべき事項について、細心の注意を払っていますが、それでもクレームになってしまうこともあります。クレームは、「お客様~受付スタッフ~店長~エリアマネージャー~工場長」という流れで、口頭によって伝わるのですが、担当者レベルで止まっていることがあります。クレーム案件はネガティブなことで、誰もが少なからず「こわい」「関わりたくない」という意識をもってしまうので、ボール(クレーム案件)に近づきたくないという人もみられます。

お客様からいただく、ご意見やご指摘がとても重要です。中でもクレームは業務改善につながる貴重なヒントです。お客様から信頼していただく企業であるためにも、早急に改善が必要だと思っています。そこで、フリーダイヤルのお客様相談室を設け、経験豊富なベテラン社員を担当者として配置しました。お客様からのご質問やご意見をうかがうと同時に、経験の浅い店舗スタッフの代わりにご案内をし、クレーム対応やイレギュラーなケースの対応をするようにしたところ、大変好評をいただいております。しかし、クレームやイレギュラー対応の履歴は共有できておらず、業務改善につなげるために、情報共有の必要性を感じているところです。

従業員同士の情報はどうやって共有されていのか教えてください。

無料のSNSを全員が使えるようになった段階ですが、話題(投稿内容)があれこれ上がるので、何についての答えなのかがわからなくなったり、以前の情報履歴が見たいときに、すぐに確認できなかったりするのが悩みです。必要なものはきちんとストックでき、全員がすぐに見返すことができるようにしたいと思っています。

最後に、石田クリーニングはなぜ、「働き方改革」や「働きやすい環境づくり」に取り組んでいるのか、ずばり!何のために取り組まれているのでしょうか。

地域の人たちに、こころ豊かで清潔な暮らしを提供するためです。お客様に喜んでいただくためには、働く従業員達のスキルと情熱が不可欠です。従業員達に、やりがいのある仕事をしてもらいたい。仕事を通じて、達成感を感じて欲しい。一緒に未来が見える会社として、安心して力を発揮して欲しい。その為の働き方改革だと考えております。

ありがたいことに弊社には「改善」「変化すること」に積極的な従業員が多いので、私自身、今後のさらなる動きが楽しみです。石田クリーニングは、働き方改革に向けて邁進してまいります!

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